石平の中国コラム
中国の地方行政のしくみ
中国の地方行政は、一言でいえば中央集権制下の地方行政である。
つまり、地方行政は国家行政の一部分となり、地方政府は中央政府の指揮監督に服する、というしくみであり、「地方自治」の考え方も実体も存在していない。
このしくみのなかで、中央政府は上から下へと、地方行政を主に三つのレベルに分けて直接にあるいは間接的に統治している。
中国の政治制度
中国の政治制度の特質を表すキーワードの一つが「民主集中制」である。
それはもともとレーニンが共産党の組織原則として提起したものであるが、中国においては共産党と国家機構の制度づくりに適用されている。
「三つの代表」論
「三つの代表」論は、江沢民・共産党元総書記がその在任中の二〇〇〇年に、中国共産党のあり方について提唱した考え方である。
人民代表大会のしくみ
中国の人民代表大会は、形式上からいえば、議会にあたるものである。
まず中央には全国人民代表大会があり、日本の国会に相当する。中国では「全人大」と略称されているが、日本では「全人代」と略される。
中国の戸籍制度と農民移住制限
中国の戸籍(戸口)制度の最大の特徴は住民の管理と、都市と農村の人口移動、とくに農村から都市への流入を厳しく制限することにある。戸口には「城市戸口」(都市戸籍)と「農村戸口」(農村戸籍)があるが、「農村戸口」を持つ農民が都市に移転することは基本的に禁止されているのである。戸口登記条例第一〇条二は「公民が農村から都市に移転するときは、必ず都市労働部門の採用証明、学校の合格証明または都市戸籍登録機関の転入許可証明を持参し、常住地の戸籍登記機関に転出手続きを申請しなければならない」と定めているから、農民による都市部への移住は、都市での就職・大学入学や軍への入隊など以外に原則的に不可能である。
中国の農産物買い上げ制度のしくみ
中国で実施されている、政府や商業企業などによる農産物買い上げ制度は、改革・開放路線をとった八十年代半ばを境目に大きく変貌している。